【@DIME様 掲載記事のご紹介】テスラを8km走らせるというZENDUREの超大容量ポータブルバッテリー「SuperBase Pro」はどう使いこなす?

大容量の「SuperBase Pro シリーズ」と中容量の「SuperBase M シリーズ」が新発売

モバイルバッテリーや充電器を提供する「ZENDURE(ゼンデュア)」は、2013年にアメリカ・シリコンバレーで設立。創業者のひとり、Bryan Liu氏自身の経験から、耐久性の高い旅行に最適なモバイルバッテリーを作るために立ち上げたブランドで、発売当初のモデルでは車に轢かれても大丈夫というほどの頑丈さを打ち出していた。

ゼンデュア製品はスーツケースに似た溝のあるデザインが特長。強度を出すために採用されたデザインはモバイル製品から、今回紹介するポータブル電源にも引き継がれている。高い技術力とデザイン性のある製品はユーザーからも高い支持を得ており、現在、100カ国以上の国と地域で販売されている。

日本では2020年5月からモバイルバッテリーの販売を開始。コロナ禍でアウトドア需要が伸び悩んでいる時期だったが、出力の高さという強みから、テレワーク体制のためのモバイルバッテリーとして大手企業や官公庁などでも導入され、国内でも評価を得ている。

ライフスタイルの変化に伴い電力を柔軟に利用したい、気候変動による災害への備え、環境保護意識の高まりによる再生エネルギー利用と、ポータブル電源の活用は幅広い用途があり、平均成長率はグローバルで10%弱と、今後も高い成長率が予測されることから、ゼンデュアでは昨年からポータブル電源市場に参入した。

そして今夏、大容量なのに持ち運びしやすいポータブル電源「SuperBase Pro シリーズ」と、静音で軽量の中容量ポータブル電源「SuperBase M シリーズ」を公式オンラインストア、全国の家電量販店にて販売を開始した。

〇SuperBase Pro シリーズ

「SuperBase Pro 2000」(28万9000円/直販価格以下同)、「SuperBase Pro 1500」(24万9000 円)の2タイプ。見た目の大きさは同じだが違いはバッテリー。2000は三元系リチウム(Li-NMC)を使っており、容量が2096Wh。1500はリン酸鉄リチウム(LiFePO4)を使っており、容量は1440Wh。エネルギー密度の効率性で容量が変わるが、1500は容量が小さい分ライフサイクル(寿命)が2000より倍長い3000回+。容量重視の2000か、より長く使える1500か、ユーザーの好みで選ぶことができる。

国内外のデザイン賞を受賞したスタイリッシュなデザインで、「キャリー構造」による伸縮するハンドル、産業用ホイールを使用。重量は2000が21.2kg、1500が18.8kgだが、キャリーケースのように簡単に持ち運びができる。ポータブル電源の上に荷物を重ねて運ぶことも可能。

定格出力2000W、瞬間最大4000Wの高出力で、ホットプレート、ケトル、トースター、コーヒーメーカー、ドライヤー、ミキサー、冷蔵庫など、家庭内の大型家電機器をSuperBase Proで稼働させることができる。また、電動ドリルなど起動電流を多く必要とする高出力機器には瞬間最大4000Wの電力を供給することも可能。

1440Wh/2096Whの大容量なのでノートパソコン、LEDランプ、ドローン、ミニ冷蔵庫、プロジェクターなどのデバイスは、SuperBase Proで長時間の電力供給が可能。電気自動車の緊急バックアップにもなり、ちなみにテスラだと8kmほど動かせる。

ポートは全部で14箇所。AC出力(コンセント)が6個、シガーソケット1個、USB-C 出力が4個、DC出力が3個。ACは6個すべて向きがバラバラになっていて、大きいアダプタを使うときでも隣とぶつからないという細かい配慮も。

また、万人に合わせるのではなく将来に向けて開発をするというスタンスから、ポートはUSB-Cだけに対応。USB-Cケーブルがあれば直接つなげることができる。USB-Aの場合はアダプタを付属しているのでそちらで充電が可能だ。

入力ポートはコンセント入力が1個、ソーラーパネルから入力するXT60 DC入力が1個。出力だけでなく充電もパワフルで、壁のコンセントから最大1500WでSuperBase Proを充電でき、1時間で約70%、2時間でフル充電することができる。フル充電1回でかかる電気代は数十円程度。ソーラーパネルからの充電も対応し、最大1800Wの高速充電ができる。

SuperBase Proの最大出力は2000Wだが、電圧や電流を調整することにより通常3000Wまで必要とする機器に電力を供給することができる「AmpUp機能」を搭載。

複数の機器を使用した際などに2000Wを超えたオーバーロード状態になると、電圧や電流を調整して2000Wで動かすという機能だ(注※AmpUp時は機器の動作が弱まることもあり、機器によっては稼働しないこともある)。

SuperBase ProはGPSと4G IoTハードウェアを内蔵しているので、4Gの電波さえあれば、どこからでもポータブル電源を管理することができ、離れた場所から専用アプリを使ってSuperBase Proの位置、充電残量、出力電力をリアルタイムに確認できる。

また、アプリで詳細設定することで、自分の使い方に合わせたカスタムが可能。1500Wで充電するとブレーカーが落ちる場合もあるので、急がない場合は充電のスピードを制限したり、バッテリーを長持ちさせるためにフル充電ではなく80%充電で完了させる設定もアプリでできる。アプリはユーザーの意見も反映して今後もアップデートしていくとのこと。

大きく見やすいディスプレイで、ボタンも4つとシンプルで使いやすい。底のライトはシーンに合わせて好きなカラーを選んだり、消すこともできる。エコロジーの観点で表面塗装は行っていないため、筐体表面のニュアンスに個体差がある。

衝撃への耐久性はあるが水には弱いので、雨天時は外に出さないように注意。防塵カバー(別売)はファンやポートといった開放部をカバーでき、着けたまま使用できるのも便利。

燃料を使ってモーターを回す発電機と比べると、ポータブル電源はクリーンエネルギーで、充電時の音は60㏈程度と音も静か。

アプリを通して、ユーザーの二酸化炭素削減量をユーザー専用の「ZenForest」に記録し、自身のグリーンエネルギー使用量を世界中の利用者と比較することもできる。

さらに「OneTreePlanted.org」と協働し、アプリの中で二酸化炭素削減ポイントを集めると、ゼンデュアがユーザーに代わって世界中で植樹を行い、2025年までに1000万本の木を植えることを目標としている。

〇SuperBase M シリーズ

「SuperBase 1000M」(13万9000 円)と「SuperBase 600M」(9万9000 円)の2タイプ。類似製品と比べると63%小さく、43%も軽いコンパクトサイズで、1000Whの容量帯では最小級のポータブル電源。重量は1000Mが8.3Kg、600Mが6.4kg。

コンパクト化を可能にしたのがファンレス構造。多くのポータブル電源は内部のファンで熱を抑える機構になっているためファンが必要となるが、Mシリーズは筐体がアルミになっており熱を放出できるファンレスな設計になっている。

ファンが無いことにより稼働音も静か。鉛筆の筆記音よりも静かな30dbなので、テントや車中で寝るときに隣に置いても全然気にならない。また、SuperBase Mは内部のファンを取り除いて排気・吸気口を持たないため、内部機構に埃を吸い込むこともないため屋外での利用にも適している。

バックパネルには、4段階の明るさと緊急信号モードを備えた10W LEDランプが搭載されていて、懐中電灯のように使える。SuperBase 1000Mをフル充電すれば、内蔵ランプを最大1週間点灯することが可能だ。

【AJの読み】野外イベントにも活用されている、汎用性の高い大容量のポータブル電源

最近ではアウトドアでも電気グリルや簡易冷蔵庫、扇風機など屋外で使う電気製品も多く、コンセントから離れた場所で大きな電動器具を扱うDIYや、オフグリッド生活、非常時のバックアップ電源など、ポータブル電源はとても便利な電源ソースとして注目されている。

ポータブル電源市場ではゼンデュアは後発となるが、既存のユーザーからの不満点などを吸収して製品に反映させているのが強みだ。

「SuperBase Proも発売に先行してクラウドファンディングを実施し5000万円のサポートを集めました。他にないデザイン、他にない機能を搭載しているとして大きな期待が寄せられ、手ごたえを感じています。

市場で最も汎用性の高い大容量のポータブル電源として、アウトドアレジャー、節電対策、オフィスでの利用、野外イベントなど、多くの現場で使ってもらいたいと思っています」(ゼンデュア・ジャパン代表 小原祐樹氏)

野外イベントでSuperBase Proが採用されたのが、富山県の射水市と高岡市を結ぶ路面電車「万葉線」20周年を記念するイベント「光の道プロジェクト」。万葉線沿線と「海王丸パーク」を、30万球のLEDで彩る地域最大級のプロジェクトが企画され、クラウドファンディングにてプロジェクトが成立。

電源をどうするかという課題から同社に依頼があり、7台のSuperBase Proを使った実証実験を行い、イベントの一部のLEDをライトアップすることに成功。今年8月5日~21日に開催される、実際のイベントでも使用されることになった。

文/阿部純子

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